更年期には
ホルモンバランスの乱れで
心身に不快な症状があらわれます。
東洋医学では、更年期の根本原因を
『腎』の衰えと考えられています。
『腎』は生命のエネルギーの源である
『精』を蓄える臓器で
発育や生殖などの機能と深く関わっています。
そのため、加齢によって腎の機能が衰えると
ホルモンの失調などが起こりやすくなります。
また、腎には
陰陽をコントロールする働きがあるため
その働きが低下すると
陰陽のバランスが崩れて
体を温めたり熱を冷ましたり
といった調節が上手くできなくなります。
万物は陰と陽に分かれるという理論があります。
体に当てはめると
陽は体のエネルギー
陰は体内の血液やホルモン、骨など。
また40代になると『陰が半分になる』
という定説があります。
ホルモン(陰)が減少することにより
体のバランスが崩れ
トラブルが起こりやすくなります。
さらに、加齢により老化に関係する
『腎』の機能が低下することでも
体の不調が起こりやすくなります。
ですが、不調は
無理や不摂生による
胃腸機能の低下が土台にあり
それに伴う体力低下や睡眠障害
また社会的ストレスの増加などが
積み重なった状態の上に
女性ホルモン分泌の減少が加わり
さまざまな症状が現れてくるのです。
「脾胃」とは東洋医学用語で
胃腸の消化機能、消化力を意味します。
消化吸収は生きていくうえで
最も大切なことであるため
東洋医学では消化力を重視しています。
脾胃失調を抱えたまま更年期に突入すると
気合でなんとか乗り切ろうとして体が無理をし
まず、消化機能を保つために横隔膜を閉じて
上半身を中心に血液を回そうとします。
その結果、足は冷えて、頭はのぼせ
お腹は冷えて動かず便秘がちとなります。
呼吸も浅くなって、血圧が上がり
眠りも浅くなってしまいます。
これが更年期における
さまざまな症状のメカニズムです。
脾胃失調の一因に
身体の冷える生活習慣が多い
ということが考えられます。
また、自分の消化能力を超えて食べている
という人も多いです。
『元気になるために食べなきゃ』とか
『時間がきたから食べよう』とか
『ストレス発散!』という人は要注意ですね。
床につくまでに消化が終わっているのが理想。
“養生”で、脾胃を整えることが何より大切。
食事では、甘いものを避け
果物や乳製品を控えて、和食中心にします。
冷たいものは飲まないようにして
入浴で体を温めます。
そして運動と早寝を心がける…。
重ね煮食事メソッドを生活にとりいれることで
食べ物を変えるだけで体が軽くなるとか
冷えないとか、肌荒れが消えるとか
普段から自分の体を
意識できるようになります。
少し立ち止まって、自分の体と向き合い
今までの習慣・行動を変えてみませんか?